新潟大学大学院医歯学総合研究科微生物感染症学分野新潟大学微生物感染症学分野

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米ペプチドを用いた歯周病予防の研究研究内容-6

米ペプチドを用いた歯周病予防の研究

 歯周病は、日本の中高年の多くが発症している国民病のひとつです、はじめは歯肉の炎症を主徴候としますが、重症化すると歯を支える歯槽骨を吸収させ(溶かし)ます。一度吸収した歯槽骨は、元に回復させることが困難であるため、歯の喪失へと繋がる可能性が高くなっています。
 歯を失い自らの歯で食品を噛めなくなると、全身健康にも様々な悪影響が波及します。そのため、歯周病の予防(すなわち,歯槽骨を守ること)は、国民健康にとって重要な意義を有します。

歯周病マウス
+食塩水

CT画像

顕微鏡写真

歯周病マウス
+米ペプチド

CT画像

顕微鏡写真

赤丸で囲んだ歯槽骨の吸収が,米ペプチドの効果で抑制されている(青丸で囲んだ部位)

 米から抽出した種々のペプチド溶液を歯周病のモデルマウスに作用させ、歯槽骨の吸収抑制効果をCT装置等で解析しました。その結果,歯槽骨の吸収抑制作用を有する米ペプチドを見出すことに成功しました。また、歯槽骨の吸収抑制したメカニズムを遺伝子レベルでも解析したところ、当該の米ペプチドは骨吸収や歯肉炎症を誘発する生体分子を制御することも分かりました。

健康マウス

歯周病マウス +食塩水

歯周病マウス +米ペプチド

米ペプチドの効果で、骨を吸収する細胞数(矢印)が減少している

 歯周病の治療では、原因菌の制御のために抗菌薬を使用することがあります。しかしながら、抗菌薬の多用は、「薬の効かない耐性菌」を生み出す副作用があります。
 一方で、米は日常的に摂取する食品であるため。副作用が少ないという利点を有しています。
 したがって、本研究は、新たな歯周病治療と予防に展開できる可能性があります。

詳細:以下の学術論文を参照してください。

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